《製作者プロフィール》

菅井肇 – 1970年 千葉県出身

20代半ばに中南米諸国を約2年半放浪。帰国直前に打楽器の魅力に取りつかれる。

30歳にて静岡県藤枝市の花火製造会社に就職。花火製造及び、国内外の花火大会の打ち上げに従事。

40歳になったことをきっかけに11年間務めた花火会社を退職。

プロパノータの製造、販売に専念することを決意

《 打楽器との出会い 》

私が打楽器を始めたのは20代後半からです。

決して早くはないスタートでした。

当時、中南米をバックパッカーとして周っていましたが、まれにタイコを持ち歩きながら旅をする人に出会うと

「わざわざそんなモノを持ち歩いて・・」と、全く関心がありませんでした。

音楽は人並み程度に聞くことはあっても楽器を手にしたこともない。

そんな私が、帰国直前にメキシコで打楽器の魅力にはまったのです。


それはとある公園の一角で、各種打楽器をはじめ、電気を使わずに音が出る楽器類(おもに管楽器など)を持ち寄り、セッションしている集団に出会ったことでした。

周囲を人が囲み、踊ったりしながら、とにかくみんな楽しそうで、もちろん私も眺めているだけで楽しくなってきました。

それがすべての始まりですね。

さっそくその場で叩いていた人にいろいろ尋ね、初めは何もわからずに教わったひとつのリズムを延々と叩いていました。

徐々にいろいろな打楽器に手をだし楽しみが広がりましたが、一人で練習していることが大部分です。

楽器ができたからと言って人生に大きなドラマが起こるとは思いませんが、日常生活にささやかな明るさはもたらしてくれると思います。

自分自身が味わってきた楽しさを、少しでも皆様にお伝えできればと思っています。


《 作るにあたって 》

私自身は、プロパノータはできれば『楽器をやったことがない人』に使っていただけると大変うれしいと思っています。

多くの方が始めてみたいことのひとつに『楽器』を掲げているそうですが、同時に始めるには高いハードルもあるということです。

  • ちゃんとした楽器は高価・・・
  • 独習はなかなか厳しい・・・
  • 自宅での練習が難しい・・・etc

価格に関しては個人の価値観によりますが、その他の2点は問題ありません。

プロパノータは軽く触れるだけでとても美しい響きが出ます。

何も考えず、単純に音を楽しみながら即興的に叩くだけでも、深くリラックスすることができます。

日々の生活のひとコマに、ただ深く、自分のつむぐ音を感じてみるのも素敵な時間ですね。

そしてその後、誰もが本来持っている「音楽への扉」が開き、それぞれの音の世界へのきっかけとなれればと思い製作に励んでいます。

《 楽器作りのコンセプト 》

 

様々な打楽器を楽しんでいる経験から、複数の打楽器を演奏すればたとえ奏法やリズムが違っていても相乗効果でのレベルアップがあることは間違いのないことだと思っています。

各地に伝わる伝統的なスタイルだけでなく、他の打楽器の奏法なども取り入れ自由な発想で演奏できればより打楽器を深く楽しめることでしょう。


プロパノータもその音色から「癒し」的な使われ方が大半ですが、それ以外の魅力も引き出し、自由な発想で演奏してもらいたいと考えています。

また、せっかくの新登場の楽器でもあるので、出来る限りユニークな発想も取り入れつつ、楽器としてのレベルを上げることを目指しながら製作しています。


製作において重視していること

 

◎ユニークであること

◎音だけではなく、インテリア要素も忘れずに

◎共鳴できる存在に

 

最後に掲げた「共鳴」は音だけのことではありません。

「共に」「鳴る」

ひとりだけで楽しむのではなく、他の人や楽器とも一緒に楽しめるモノに育ってほしいと願っています。

 

私には目指している楽器のイメージはありますが職人としてのよく言う「こだわり」はありません。

ご依頼に応じて製作にベストを尽くすのは当然として「半分くらいがちょうどいい」との考えもあります。

残りの半分は演奏者の領域。

ピアノやギターのように完璧な楽器ではなく、余白のある楽器。

その様な考えに共感してくださる方にお届けしたいと思っています。


 

「楽器」とはいえ、音の出る「道具」にすぎません。

 

道具である以上どなたでも簡単に扱えることが理想ですが、強い意志がなければ習得するのが困難な楽器もたくさんあります。

プロパノータはそんな強い意思がなくても遊びで上達可能です。

もちろん、練習を重ね「道具」を身体の一部のように使いこなせるようになればこれほど楽しいこともありません。

見た目もかわいらしく存在感もあります。ぜひ皆様のアイデアで使い倒してください。