先日友人のずーさんがインドネシアのバリから帰国しました。この記事の人
ずーさんはほぼ毎朝プロパノータでおはよう配信をしているティックトッカー。
「野生ドラマー」と称して、自作の塩ビパイプドラムなどのガラクタを激しく打ち鳴らす人です。
その活動が認められ、ある企業でのパーティに招待されての演奏旅行でした。
お土産として(ワイにではなく本人用)、バリでタングドラムを購入し、それを見せに来てくれたのです(すみません。画像も何も撮ってません)。
そのタングドラムは8音のドレミファソラシド。真ん中にもう一音低い音がプラスされているので合計9音(値切って15,000円前後だって)。
この形が一番多いんじゃないでしょうか。
そしてその形が生産者の思想をはぎ取っているのではないかと感じます。
そこで私の感想が始まります。
「ふ~ん。普通だね。面白くないけど」
過去に何度も言及してきましたが、タングドラムというものは構造上きれいな音が響くモノなんです。
バリのお土産品も音は綺麗でいいんじゃないの、という感じですがなんか面白くない。
私も8音を作っていたこともありますが、6音と比べるとなんか面白くない。
その理由は生産者の思想が見えないということです(あくまでも私の意見)。
「どんな使い方をして欲しいのかが見えてこない」
ドレミで曲を演奏して欲しいのか(でも8音じゃタカが知れてるけど)、自由に音で遊んで欲しいのか。
はたまたヨガや瞑想などで使い、心を落ち着かせてほしいのか。
もし曲ではなく自由な演奏を重視しているなら、5音階というものをベースにする方が良い。
瞑想用なら音を低くして、音階は重視しない。
そういった偏りがある方がグッと突き刺さると私は思っています。
ずーさんが買ってきたもう一つの楽器「ジェゴク」。
これは言うならば竹琴。
ミニチュアサイズなので音は5音。6音だったかな。。
全ての音が心地良く、いつまでも遊んでいられる感じ。
一方のタングドラムは「もういいや」ってなりやすい。
その理由が8音にあるんじゃないかな。
わかりやすさを重視した結果のドラミファソラシドならば、響きが良くない音も取り入れなくてはなりません。
そしてその響きがイマイチの音を鳴らすと心のウキウキ感が冷めてしまう。
美しく響く音のみを集めたとしたらドレミが成立しない。このモヤモヤには私も悩みました。
ちなみに自由な演奏に向いている5音階ってドレミから2音抜いただけだけど、その2音の存在が思った以上にデカいのです。
つまり、そこで製作者の思想が分かれると思います(私は完全にウキウキ感重視)。
タングドラムを作る際、円を放射状に分けて8音というのが最も合理的で簡単。ついでにドレミファソラシドも8音。
「じゃ、それでいこっか」
「ドレミソラシドならみんな使いやすいんじゃね」
もしそうだとしたら、それがこの楽器の使えなさを後押ししてしまっていると考えています。
と言っても、すでに楽器というよりは「癒しグッズ」という認識が定着しつつあるようなので、この流れは覆せないよね。
私もタングドラムを作りたての頃は「ドレミファソラシドが揃ってれば万能」と思っていましたが、実際にはそんなことは全くありませんでした。
そんな現実を前に、「他メーカーがそうだから」、もしくは他メーカーはもっと音を増やしてきたから「じゃあウチも」という姿勢だったら面白くはないですよね。
オモシロクナイというのはものつくりの発想としてもそうだし、現物の楽器もそうだと思います。
音を増やすと言っても、それぞれの音板を小さくして並ぶ数を増やすだけなら、最初からそうりゃいいじゃんって感じです。
しかし音はそれなりに綺麗なのでそれでじゅうぶんとも言えますし、何と言っても安価。そこはとても大きいメリットです。
「取り合えずやってみよう」ってなりやすいもんね。大切ですよ。
しかしそこからどんどんハマって「この楽器の文化の成長へ繋がる」とは考えにくいのは問題です。
いつか一度ご紹介したいと思っていますが、ウチにカリンバがあります。
アマゾンの廉価版と、手づくりされた工房品と私が作っているもの。
アマゾンのカリンバは17音でドレミ2オクターブ+αなのかな。綺麗な音が響きます。3000円程度。
工房品のカリンバは11音あり、音階もオリジナル。約2万円。アマゾンより一回りちょっと小さい。
音の違いは歴然です。アマゾンは綺麗な音だと思いましたが、工房品は音も良いし、演奏している指の心地よさも段違い。
飽きずに弾いていられる。
アマゾンのカリンバと工房カリンバは見た目も違いますが、タングドラムは工房品も廉価品も見た目はたいして変わりませんからね。
「価格の違いって何なの?」という疑問があるかと思います(海外のお高い工房品は主に装飾が凝っているだけのことが多い)。
ちなみに私の作るカリンバは最初から思想が違いますので参考にはなりません。今後も作るようならいつかご紹介します。
ここまでの話はどっちが優れているかのお話ではありません。それぞれ一長一短。
購入される方の目的次第です。
最後に
偉そうに物申してきましたが、私の製作思想は完全に失敗しています。
皆さんからのご支持を全く得られていませんからね。
しかし、そうは言っても自分でつまらないと思っているモノは、やはり作れないのですよ。
ご支持を得ることを目指して作れば、結局私も「ツマラナイ」ものを作ることになると思います。