前回のブログ「なぜ私は“普通のスリットドラム”を作らなかったのか①」ではプロパノータを作り始めたきっかけを振り返りました。
今回はタイトルにあるように「なぜ?~」についてのお答えをさっそく。
今までも、また他のページでも散々触れてきたことですが、それは「金属製のスリットドラムの可能性を広げるため」が一番大きな理由です。
もっともそれは製作当初からそこまで視野に入れていたわけではなく、試作を繰り返す中でたどり着いた考えです。
金属製のスリットドラムの音色を聞けば誰もが「癒される~」との感想を漏らすと思います。
この「癒しの音色」は事実だと思いますし、一番の特徴ですよね。
私もこの楽器を作りたいと思ったのはその「癒しの音色」に惹かれたからだったと思います。
楽器を作る意欲にあふれ、アパートの一室の、更に自作した窮屈な箱の中でガスボンベを切断しつつも、まだまだ「どんな楽器を目指せばよいのか?」、そのゴールは見えていませんでした。
取り合えず目標にしたのはドレミファソラシドを出すことでしたね。
しかし、今でこそ当たり前のように「音階は音板の長さで決まる」とお伝えしていますが、当時はそれすらわかっていませんでしたけど。。
おまけに単純にドレミ~を出すだけではなく、それぞれの音板の長さを変えず「全て同じなのに音が違うモノを作りたい!」と思っていたのです。
それはナゼかと言えば、自分が初めてネット上で見て驚きを感じたように、この楽器を見て音を出した人にも驚きを与えたかったんです。
ただでさえ何だかわからない円盤状の物体から、とてもきれいな音が響き、さらに音階(ドレミ~)も出る。しかも音板の長さもみんな一緒。
「えぇ~なんでぇぇぇ」みたいなリアクションを狙っていたんです。
そのために、音板の長さ以外に「音板の裏側を削る」というやり方を実験し続けました。
これは諸々の楽器の理屈を調べ、鉄琴・木琴の音の作り方を参考にしたものでした(鉄琴、木琴は音板の長さ+音板裏側を削り音色を整えていくそうです)。
このアイデアがまず大失敗・・・
そもそも鉄琴や木琴の音板はある程度の厚みがあるから、じゅうぶん削るだけの余裕があるんですよね。
それに比べ金属製のスリットドラムの素材厚は、おおむね2~3ミリなので削って音色を整えるには薄すぎなのです。
裏を削る以外にも音板の形を変えることから始まり、いくつか興味の赴くままに実験してみましたが、そもそも基本的なことを理解していなかったので、決して有意義な実験とは言えなかったかな(楽しかったけどね)。
そんな中で、最終的にドレミの実現までに結構時間が掛かってしまった記憶があります。
ドレミファソラシドが実現できたことで、第一目標は達成できましたが、音を鳴らしてみてもモヤモヤ感があったことを覚えていますが、そのモヤモヤの正体は自分でもわかりませんでした。
当時は音階と言えば「ドレミファソラシド」しか知らなくて、それが揃っていれば十分だと思っていたものの、実際にはそんなことは無かったということです。当時のブログにも書かれていますね。
その頃の私のように「音階やKEYとは何ぞや?」ということを理解していなければ、とても使い勝手の良いペンタトニックスケール(5音階)よりも、ドレミファソラシドの方に安心感やお得感を覚えるのはいたって普通のことだと思っています。
その後もそのモヤモヤを解消することは出来ないまま、ドレミファソラシドで突っ走ることになっていくのでした・・・
楽器や音楽をやっている友達もたくさんいたので相談することも多かったと記憶していますが、彼らにとっても未知のものであったためか「これだっ!」という解決策は見つけられずじまい。
自分以外は考えている深さが違うからね。
さて、冒頭にて「なぜ普通のスリットドラムを作らなかったのか?」の答えはは書いたものの、この2回めでも、まだそこまで行きつかないですね。。
事細かく覚えているわけではないので、次の3回目でこのテーマは区切りにしたいと思います。