結論から言うと、タングドラムは打楽器です。
ただし、一般的な打楽器とは少し違う位置にある楽器でもあります。
タングドラムは、金属の舌状の部分(タング)を叩いて音を出します。
構造としては、物体を打撃して音を生む打楽器そのものです。
この点だけ見れば、分類として迷う余地はありません。
しかし実際には、この楽器は少し曖昧な扱いをされています。
ヒーリング用途やリラクゼーションの文脈で語られることが多く、
「音を楽しむもの」として紹介されることが一般的ですね。
そのため、いわゆる打楽器のように
リズムを刻んだり、演奏の中で役割を担う楽器としては
認識されにくい側面があります。
ではタングドラムは打楽器ではないのかと言えば、そうではありません。
むしろこの楽器は、
打楽器としての性質と、音階を持つ楽器としての性質を
同時に持っている存在です。
タングドラムは、叩くことで音を出す楽器です。
この点だけ見れば、打楽器として捉えることは自然でしょう。
しかしこの楽器は、一般的な打楽器とは少し異なる側面も持っています。
その音の特性から、
テンポやリズムを厳密に保たなくても、
「なんとなく」成立してしまう場面が多くあります。
多少の揺れやズレも含めて成立してしまうため、
リズムや構造を意識しなくても演奏として成立してしまう。
この性質が、タングドラムを
「打楽器のようでありながら、そうとも言い切れない」
曖昧な立ち位置にしている要因の一つだと言えるでしょう。
その点については多くの人が納得できるのではないですか。
またユーザーも打楽器という視点で演奏している人の方が少数だと思います。
また、音階が用意されているため、
旋律的に扱うことも可能です。
ただし音数や構造の制約から、
多くの音を使って展開していく楽器ではありません。
むしろ限られた音の中で、
繰り返しや間を使いながら構成していく。
その点では、
一般的な旋律楽器とも少し違う位置にあります。
こうして見ていくと、タングドラムは
打楽器でありながら、
それだけでは捉えきれない楽器だと言えます。
そしてこの楽器の面白さは、
どちらに寄せるかによって大きく変わります。
リズムや反復を意識すれば打楽器として機能し、
響きや流れを重視すれば旋律的にも扱える。
ただ、どちらにしても共通しているのは、
叩くことで音が変化し続けるという点です。
私はこの楽器を、
「打楽器として成立するもの」として考えています。
音を並べるのではなく、
一つの音をどう鳴らすか。
その違いが、そのまま演奏になるような楽器です。
タングドラムは、
分類だけでは語りきれない曖昧な存在ですが、そこには打楽器としての可能性が秘められていると思っています。