音が狂った実例:野生ドラマー ずーさん
音が狂った実例として、最後は友人の「野生ドラマー」ずーいちさん(以降「ずーさん」と表記します)。
*ずーさんは隣町に住んでいるので頻繁に遊びにも来てくれます。
友人なので、細かな記録までは残っておらず、お互いの記憶をもとに書いています。
ずーさんの活動と使用状況
ずーさんはTikTokerとして、自作のパイプドラムのライブ配信を行っています。
また「おはよう配信」として、ほぼ毎朝、プロパノータの演奏をフォロワーさんにお届けしています。
現在、ずーさんが使用しているプロパノータは3台。
P6、パルマ(手のひらサイズ)、そしてもう一台のP6です。
今回の記事では、最初のP6に狂いが出たところからの経緯を中心に書いていきます。
(なお、3台目のP6も最近狂いが出ています)
最初のP6の仕様
・使用モデル:「P6」(6音階のプロパノータ)
・使用頻度:高(毎日)
・演奏スタイル:即興
直径22cmのスタンダードモデルではなく、ひと回り大きい直径25cmモデル。
素材の厚みも通常の2ミリから、上半分のみを3ミリにしたカスタム仕様です。
購入後〜最初の狂いまで
購入後、半年〜1年ほど経った頃から、毎朝の「おはよう配信」を行うようになりました。
その後、音に違和感が出てきて、
「調子っぱずれになった」ということで計測してみたところ、実際に音が狂っていました。
狂い幅は、他の事例と同じく
半音程度のものから、多いもので1音程度。
狂っている音も複数あったはずです。
初回の対策
対策として、
溶接 → 研磨 → 再塗装 → 仕上げのチューニング
という、通常の修理工程を行いました。
ずーさん曰く、
「何も考えず、結構ガンガン叩いていた」とのこと。
元々、そして現在もドラマーですので、完全に“打ち組む系”の人です。
再発と2回目の調整
修理後、しばらくして再び音の狂いが出ました。
感覚としては、
「前回よりも、狂いが出るまでの期間が短かった」
とのことでした。
*この狂いが、1回目の調整からどの程度の期間で起きたのかは不明です。
2回目の調整では、再溶接の効果が短期間になる可能性が高いと判断し、
全体の音を下げる方向での調整を行いました。
事故による狂い
その後、さらにしばらくして再び狂いが出ました。
これは本人も、そして私自身もその瞬間を目撃しています。
ずーさんが台東区で開催されたフェスに出演した際、
持ちネタであるパイプドラムの演奏の合間に、プロパノータも挟み込もうとしました。
その一発目で、マレットの先端のゴムがすっぽ抜けてしまいました。
取りに行くわけにもいかず、
そのまま金属部分で強打を繰り返したため、結果的に音が狂いました。
あれには爆笑したよ。。どっか抜けてる人なんだよね。
3台目P6とパルマの状況
その後、3台目のP6にも狂いが出ました。
一方で、もう一台のパルマ(手のひらサイズ)は、使用頻度がそこまで高くないためか、現在のところ狂いは出ていません。
3台目P6の仕様と経過
3台目は、同じく直径25cmサイズの6音階モデルに、以下のカスタムを加えて製作しました。
・表と裏面に同じ音を作り、共鳴的に「フワァワァ~ン」という響きが出る構造
・素材の厚みを上下とも3ミリ
これは昨年5月に納品済み。
おはよう配信は現在も継続中で、3台目になり約10カ月が経過しています。
楽器の耐久性についての考え
私としては、最低でも1年は持ってほしいと考えています。
例えば、私の母(80代)は60からの手習いでピアノを始めましたが、年に一回、調律師さんに依頼して音を再調整しています。
スティールパンの製作者の方も、学校などに納品したスティールパンを、年一回再調整しに行くということでした。
アフリカの打楽器ジャンベなども、年に一回皮を張り替えるとしても、そこまでの高頻度ではありません。
そのような事例から考えても、1年持てば十分合格ラインだと考えています。
使用者と製作者の責任
3台目については、ずーさん自身が
「音板を自分で切り、全体の音を下げる」
という再調整を試す予定です。
ずーさんは
「俺、つい強く打っちゃうんだよねぇ」
と反省していました。
ただ、楽器製作側としては、
「それは製作側が何とかする問題」
という捉え方をしています。
タングドラムは優しく打つことで良い音が引き出せますが、
実際に使うのは使用者さんです。
気分が盛り上がった中での打ち込みを禁止する、という考え方は、正直つまらない。
私自身も、ずっと構造上の弱点対策を検討し続けてきましたが、
ようやくひとつの指針を見つけることが出来ました。
その点については、別の記事でお伝えします。