こちらの記事は、かなり主観的な内容になります。
その人がしたいようにするのが一番だけど、
「私は断然、感覚派」
これは良し悪しの問題ではありませんので、悪しからず。
この楽器が世に誕生した当時、ほぼすべてのタングドラムは8音で、音階は即興性の高い「ペンタトニックスケール」というものでした。
※ペンタトニックスケールに関しては、ググるなりしてください。
その中で私は、独自性を持たせる意味でも音数を増やし、メロディ演奏を目指していた時期があります。
15音モデルも、その経緯で誕生しました。
しかし、元から楽譜が読めるわけでもなく、私自身は打楽器をやってきた人間です。
結局のところ、楽譜に倣って演奏することへ大きな興味を持てず、今では6音がベストだと思っていたりするわけです。
そうは言っても、好きな曲を繰り返し練習し、マスターする喜びは、この楽器でも味わってきました。
ですので、メロディ演奏そのものを否定するつもりは決してありません。
タングドラムは、メロディ演奏に向いているのか
私の考えでは、タングドラムはメロディ演奏にあまり向いていません。
理由を挙げるならば、
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音の配置が不規則
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音域が狭い
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本格的に曲を演奏するなら、複数台欲しくなる
以上の点です。
音の配置がメーカーごとに違う
まず、音の配置がメーカーごとに異なります。
ピアノやカリンバのように、ある程度共通した並び方があるわけではありません。
つまり、別のタングドラムへ持ち替えるたびに、また最初から音の位置を覚え直すことになります。
……あぁ、メンドクサイ。
もちろん、一台だけを長く使うのであれば大きな問題ではありません。
ただ、楽器としての汎用性は低いですよね。
同じ曲を別のタングドラムで弾こうとしても、同じ手順では演奏できない可能性があります。
音域が狭い
次に、音域の問題です。
主旋律だけを弾くのであれば、ある程度は楽しめると思います。
しかし曲に馴染んでくれば、低い音も欲しくなる。伴奏も付けたくなる。半音も必要になる。
そうなると、一台のタングドラムだけでは、どうしても足りなくなってきます。
仮に「ドレミファソラシド」がそろっていれば、
「結構イケるんじゃね?」
などと思われるかもしれませんが、全然イケませんからね。
一オクターブだけでは、弾ける曲はかなり限られます。
さらに半音がなければ、曲によっては最初から対応できません。
ですので、メロディ演奏をしっかり考えるなら、
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通常の音階を持つモデル
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半音階を持つモデル
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低音を担当するモデル
このくらいは欲しくなると思います。
つまり、理想を言えば3台です。
しかし、その3台が市場にはほとんどない
問題は、半音階モデルや低音モデルが、現実にはほとんど市場に存在しないことです。
私は以前、その両方を製作していました。
ただ、現在は積極的には作っていません。
理由は単純で、私自身がそこに大きな価値を見いだせなくなったからです。
もちろん、必要とする人がいないとは思っていません。
ただ、タングドラムでそこまでしてメロディ演奏の環境を整えるのであれば、ほかの楽器を選んだ方が早いのではないか。
そんなふうに考えるようになりました。
好きな曲を演奏したいなら、カリンバという選択もあります
もし「癒しの音色」で好きな曲を演奏したいというのであれば、私はカリンバをお勧めします。
カリンバも元々は即興的な演奏が主体だった楽器だと思います。
しかし現在では、一台に多くの音が入ったモデルがたくさんあります。
半音を含むものもありますし、音の並びも比較的規則的です。
それぞれの音もきれいで、価格も手頃。
タングドラムよりも、メロディ演奏にはずっと向いている楽器だと思います。
自分の商品を売るための記事で、別の楽器を勧めてどうするんだという話ですが。
向いていないものを、向いているように説明するよりは良いでしょう。
「多少はメロディも弾ける」が一番危うい
その一方で、感覚的に鳴らしたい人でも、
「多少はメロディ演奏もできた方が良いかな」
と考える方はいるでしょう。
もちろん、それもじゅうぶんアリです。
ただ、その中途半端感。
いけませんよ。
8音あれば自由にも鳴らせる。
簡単な曲も弾ける。
ちょうど中間で便利そう。
確かに、商品としては魅力的に見えます。
しかし実際には、メロディ演奏には音が足りず、即興的に鳴らすには音数が少し多い。
両方できるようで、どちらの良さも十分に出ない可能性があります。
それならば、潔く
「メロディ演奏はできない」
とした方が、よほどこの楽器の特性を生かせるのではないか。
私はそう考えています。
タングドラムは主役より、脇役が似合う
私の考えるタングドラムの特性は、「主役」になることではありません。
しっかりと脇役を務めることです。
一般的には、メロディが音楽の主役になります。
しかし主役を務めるというのは、とても大変です。
何度も何度も練習して、一音でも間違えれば、
「あぁ、間違えたぁ……」
と嘆き、さらに練習を重ねる。
もちろん、それこそが楽器を習得する面白さでもあります。
上手に演奏できたときの喜びは、とても大きいですからね。
ただ、タングドラムは、そこを主戦場にしなくても良いと思っています。
低い音を一つ入れる。
短いフレーズを繰り返す。
メロディの隙間に音を置く。
全体の雰囲気を少し変える。
そういった脇役としての働きの方が、この楽器には合っています。
脇役であれば、多少違う音を鳴らしたところで、誰にも分かりゃしません。
むしろ、毎回少し違うことの方が面白かったりします。
タングドラムで無理に主旋律を担うよりも、少ない音で音楽の隙間へ入っていく。
私は、その方がこの楽器の特性を生かせると思っています。
そして私としては、「出来れば他の楽器と一緒に楽しもうよ」と思っています。
ひとりで鳴らすのも、もちろん良いですが、皆さんの周りにはきっとギターなんかができる人がいるのではありませんか?
ギターを奏でてもらい、そのわきっちょでちょっと音を入れさせてもらう。
そのようなライトな使い方が、一番この楽器には似合っていると思っています。