タングドラム!「ダイナミックに手で演奏したい」

タングドラムをマレットではなく「手でカッコよく演奏したい!」

そういったご要望の声を耳にしたことがあります。

しかし残念ですが、タングドラムはあまり手での演奏には向いていません。

文末に、私なりの「手で叩くためのおすすめの方法」を述べていますので、ご参考になれば幸いです。

タングドラムが手奏に向かない理由

手での演奏に向かない大きな理由のひとつは、金属板の厚みです。

手で演奏するには、ちょっと厚いんですよね。。

また、サイズ的な問題もあります。

手で鳴らしやすくするために音板を大きく取ろうとすれば、本体自体も大きくする必要があります。

しかし鉄製のタングドラムを、ハンドパンのようなサイズ、例えば直径45cm以上にしたら、今度はかなり重くなってしまうでしょう。

私はそういった演奏はほとんどしたことがありませんが、音板を細かく打ち分けるのではなく、本体全体をひとつの打面とみなして演奏する人もいますね。

そういった使い方であれば、また別の可能性はあると思います。

指では音板に力を伝えにくい

いずれにせよ、手で打つ場合にはあまり音量が出ません。

「手」と言っても、実際に音板へ当たるのは主に指の腹部分です。

指の腹は柔らかく、接触する面積も広いため、音板へ瞬間的な力を伝えにくいことが原因と言えます。

スガイ工房にある格安品のマレットはとても柔らかく、指で押すと「プニュッ」とつぶれます。

低い音はこの柔らかさでも十分に鳴りますが、高い音ではほとんど鳴りません。

高い音を鳴らすには、ある程度の硬さが必要になります。

かと言って、大きな音を出そうとして硬いマレットで強く叩き続ければ、音板の変形や音程の変化につながる可能性があります。

そっと柔らかく鳴らすこと。

それがタングドラムでは最も重要な音の出し方だという認識を、私は持ち続けています。

どうしても手での演奏を中心にしたい場合には、手で鳴らしやすい大型モデルを選ぶか、マイクやピックアップを使って音を増幅する必要があるでしょう。

やはり基本はマレット

どの楽器にも、それに適した演奏方法があるはずです。

コンガやジャンベは、手で鳴らすことを前提として作られています。

一方でタングドラムは、マレットを使った方が本来の音を出しやすい楽器です。

手で演奏することが間違いだとは思いません。

ただ、この楽器の音を無理なく、きれいに引き出すのであれば、やはりマレットを使った演奏になるのではないでしょうか。

それでも手で鳴らしたいなら

マレットのような音量は出ませんが、それでも手での演奏を楽しみたいのであれば、私は次の方法をお勧めします。

大切なのは、指の力を抜くことです。

慣れないうちは、どうしても「弾く」というより「突っつく」ような打ち方になってしまいます。

それを避けるため、

  1. 楽器を膝に抱え、手を楽器全体にかぶせるように置く

  2. テレビなどを見ながら、指先で軽く叩いてみる

以上。それだけです。

机に置いた状態では、角度によって手前側の音を叩きにくい場合があります。膝に乗せた方が、手を自然に置きやすいでしょう。

また、最初は楽器へ集中しすぎない方がよいと思います。

「ちゃんと鳴らそう」と意識すると、それだけで指に力が入ってしまいますからね。

試しに、ご自分のももを指先で軽くはじいてみてください。

特に意識しなくても、リラックスして動かせるはずです。その感覚を、そのまま楽器の上でも再現するだけです。

最初は適当に触れて、指先を楽器に慣らす。そのくらいで十分です。

テレビなどを見ながら叩いていると、たまに、

「今の感触、良かったな」

「オヤ、今の音いい音だなぁ」

と感じる瞬間が出てくるでしょう。

そうなればしめたものです。

今度は、その感触を再現するつもりで叩いてみる。すぐにできるようになると思います。

音は小さくても、何の問題もありません。

小さな響きを聞き逃さないことの方が大切です。

そして、その結果ますます手で叩きたい欲求が高まったなら、手で打つ楽器を買いましょう!

一生楽しめますよ!