全ての原点はここに

【ボンベ再加工の始まり】

誕生の経緯

西アフリカ由来の壺型打楽器「ウドゥドラム」に強く惹かれ、いつか手に入れたいと思っていました。

しかし、打楽器専門店で販売されているものは、ただの壺にしか見えないものが数万円という価格。

どうしてもその金額を払う踏ん切りがつかず、「それなら自分で作れないだろうか」と考えたのがすべての始まりでした。

まずは身の回りにある瓶や花瓶、木製のサラダボウルなどを使って自作を試みましたが、どれも思うような音は得られません。

そんな折、職場である花火会社にあるガスボンベに目が止まります。

花火の打ち上げでは火種としてガスを使うことがあり、プロパンガスボンベが数多く保管されているのです。

「この素材なら、理想の低音が出せるかもしれない」


そう直感したものの、自分で鉄加工を行う技術はありません。そこで、花火の仕事を通じてお世話になっていた鉄工場の職人さんに相談し、試作を依頼しました。

ほどなくして完成した第一号のウドゥドラムは、想像以上に深く、包み込むような低音を持っていました。

この経験が、後にプロパノータ、そして「プロパ・ドゥ」へとつながる大きな原点となります。

その後は自ら製作を重ね、特に音の要となるネック部分の長さを微妙に変えながら試行錯誤を続けました。

低音がよりふくよかに、より自然に響く最適なバランスを探り当て、現在の「プロパ・ドゥ」の形へとたどり着いたのです。


【音の特徴】

ウドゥドラムは決して音量の大きな楽器ではありません。

しかし、息づくように鳴る独特の低音には、他の打楽器にはない確かな魅力があります。「プロパ・ドゥ」もまた、その個性を大切にした楽器です。

基本となる音は二種類


ボディ表面を叩いたときに鳴る、乾いた高音と、ネックから空気が押し出されることで生まれる深い低音です。

この二つを組み合わせることで、シンプルながらも表情豊かなリズムを生み出すことができます。

また、金属製であることも「プロパ・ドゥ」ならではの特徴です。

表面加工によって、アクセントとなる音色や微妙なニュアンスを加えることができ、演奏者の工夫次第で表現の幅が広がります。

見た目も音も決して派手ではありませんが、どんな楽器と合わせても邪魔をせず、自然に溶け込む存在感があります。

主張しすぎることなく、アンサンブル全体をやさしく支える――それが「プロパ・ドゥ」の持つ、静かな魅力です。