現在スリットドラムの置かれている位置

現在スリットドラムの置かれている位置

 

先日、工房に打楽器奏者であり「スリットドラム」の可能性に強く惹かれ「体験会」や「指導」などをされているカツミアイさんが工房にお越しくださいました。

音大で打楽器を学んだ方がこのように楽器の普及に努めてくださるのはとても心強いですね!

 

 

動画の内容とこの記事内容は一致していませんが、それは仕方ない。。スマホで撮っていたのはごく一部ですからね。

 

カツミさんも所有のスリットドラム(チャイナ)をお持ちくださいました。

「イマイチ高音の伸びが物足りない、というか詰まった感じの音がする」という感想を抱かれているそうですが、確かに「音が詰まった感じ」がしますね。

 

「それはナゼか??」

 

それはわかりません。素材も同じ(鉄)で、もちろん構造もプロパノータと同じです。

それでも比べるとプロパノータの方が圧倒的に響く。これは誇張ではなく事実です(響く方が優れているかどうかは別問題です)。

 

工房にもチャイナのスリットドラムは2台あります。

1台は素材が合金(銅?)で音の響き自体は短いものですが、それは素材が違うため納得できます。

もう1台は素材は鉄ですが、安っぽくペラペラした音で私自身ほぼ触ることもないので、特に意見はありません。

 

まぁ、それはそれとして。他製品をあーだこーだ言っても仕方ありませんでね。

体験会やご指導をされているカツミさんとの意見交換では、現状のスリットドラムの位置が何となく浮き彫りになりました。

 

ここ数年で登場した格安のメイドインチャイナのお陰でかなり多くの方が目にすることになり、アマゾンでワンクリックで変えることとも相まって楽器に興味を持つ方、そして実際に購入される方が増えているようです。

 

しかし肝心の「使い方」となるとまだまだ「コレ」というものはないように感じます。

 

カツミさんの元にも「この曲を演奏したい!」というご要望が多く寄せられるそうですが、この要望にはちょっと悩む部分もあるようです。

なぜなら「既存曲の演奏」となると結局は自己練習が最も大事。

楽譜に沿って演奏するだけですし、なによりも楽器自体の仕様がメーカーごとに違うという大問題もあります。

 

音の配置が違うため一括して「こうですよ」とは言えない。

ちゃんと打楽器を学んで来られた方だけにもっと「根源的なことや可能性を伝えていきたい」が、現状の要望は「曲の演奏」。

と言いましても、カツミさんも楽器に大きな可能性は感じているものの「コレ」というモノはまだ手探り状態。

ついでに言いますと、ご自身の中にあるイメージがあったとしても、手持ちのスリットドラムではちょっと違う。。。そんなことも多々あるそうです。

 

ちなみにプロパノータではかなりその奏法が叶うそうです。。。嬉しいお言葉いただきました!

 

具体的に言えば高音の伸び、手や指を使った演奏、側部を使い音程感の無いリズム的な奏法という感じです。

 

「高音の伸び」はマレットによっても違いがあるので中国製でもプロパノータのマレットを使えばだいぶカバーできそうですが、それでも十分とは言えないようです。

中国製のマレットは柔らかすぎるんですよね。中低音は良く鳴っても高音部の鳴りはあまりよくないですからね。

中国製のマレットでプロパノータを鳴らしても結果は同じです。高音は全く鳴りません。

 

「手や指での奏法」は打楽器奏者らしく、鉄の倍音の音が心地良いようです。指の腹だけではなく指の関節、骨側で叩いた際の倍音などです。

叩き続けると骨が痛いので私はほとんどやったことがありませんが。。

音板以外を叩いた際の倍音もプロパノータに軍配が上がりそうです。

ひと言で言えば「より金属的」という事でしょう。

 

「側部の音」もやはり打楽器奏者ですね。

手で叩く太鼓、いわゆる「皮モノ」を叩いていると音だけではなく、「手の感触」も楽しめます。

その感触がちょうどよい具合に手に馴染むとそれだけで気持ちが良いんものですからね。

 

 

中国製は側部が滑らかな曲面であるのに対し、プロパノータでは直線になっているので良い感じで手に馴染むという事でしょう。

(いずれもプロパノータ15音階、P15を使った時の感想です)

 

この楽器自体は「手で叩く」よりも「マレット奏法」の方が音も出しやすく、音量も出るので私自身はマレット奏法が主体です。

しかし購入者の多くは「手で叩く」欲求も高いようです。

もっとも手で良い音を出すには少々の慣れが必要でしょうし(すぐ慣れますけどね)、そのまま綺麗な響きではなく「金属的な響き」の心地よさに繋がっていくのかははなはだ疑問でもあります。

 

何故なら私の所感では、この楽器に「打楽器性」を求めている方は「ほぼ居ない」と思われるからです。

ツイッターで投稿しましたが、カツミさんの生徒さんで工房に来られた男性がいました。

その方は最近打楽器に目覚め始めているそうですが、それでも当HPでご紹介している打楽器的な奏法には全く心動かなかったそうです。。。

 


はっきり言えば「ちょっと絶望的」。

ずっと訴えてきても全く響いていないのですからね。。。

 

私は当初から「響きや癒しは当たり前」、でもそれだけではない使い方としての打楽器的奏法をアピールしてきました。

もちろんこれは自分が打楽器が大好きという事が根本にあります。

また打楽器となれば色々な音楽に入り込める可能性も含んでいると思うからです。

 

しかしながら現実的にはまだまだ「癒し一辺倒」。まっ、仕方ないですね。。。

 

上から目線で恐縮ですが、中国製のお陰でやっと使用者が増え始めた段階。

まだまだ「癒しの音で好きな曲を奏で個人で楽しむ」段階なのかなと思っています。

その先に「他の楽器との演奏」があり、その次に「楽器の特性を生かした使い方」、そして様々な奏法へと繋がってく行くことを期待しています。

 

カツミさんともお話しましたが他の楽器との演奏になると、「スリットドラムはメロディで使うのは難しい・・」という事で意見は一致しました。

何故なら、スリットドラムの音は他の楽器の中に入るとかき消されやすいのです(音が優しいからね)。

伴奏に負けてしまう可能性が強い。

 

また「音程感」という事も理由のひとつです。

チューニングがされ「ドレミファソラシド」が揃い、音が狂っているわけではなくても音の輪郭は一般的な楽器に比べればやや曖昧だと思います。

それは複数の音があるのに一体化しているという構造的な問題でもあります。

響きも長く音の余韻が重なってしまいますしね。

 

で、あるならばメロディは他に譲りスリットドラムを伴奏的に使う方がよほどその特性も生きていきます。

そうなると音の数はあまり重要ではなく、一つ一つの音の輪郭がはっきりとしている方が良い。

つまりは「音数は6音程度の方が使える」ということです。

 

そんな演奏の具体例を私が示せれば良いのですが、なにせ一人では難しい。。。

最近はスマホのアプリでも「ひとり多重演奏」が可能なものも気軽に使えますが、やっぱり一人でやっててもツマランのですよね。

 

静岡時代から複数人でリズム的な奏法を目指してきましたが、なかなか形にはできませんでした。

いまも工房ご近所さんを中心に何人か手伝ってくれる方がいるのですが、私がお願いしている感じで「当人たちがぜひやりたい」かはイマイチ不明。

やっぱりなかなか前には進みません(私の不手際も大きいですけれどもね)。

それでもこの手の楽器をそんなような使い方をしようとしているのはたぶん私だけ(世界的にも居ないかも)。

情報を発信するしかないのでしょうが、、それが一番難しい。。

 

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今日の一曲はコレ。

スリットドラムのイメージからは全く想像つかないと思いますが。

プロパノータでやると面白そう。