「中国製のスリットドラム」がアマゾンにずらり。コレ買っても大丈夫?
いずれも非常に安価。
しかし「安くてもロクなもんでない」のならば決して購入はしたくないですよね。。
価格の差は何を意味しているのかも正直見えてこないと思います。
果たしてこれの「品質は如何に?」
と、いうことで試しに2種類を購入してみました(安いからね)。
2021年9月23日:追記でお客様からのクレーム実例を文末に乗せました(私と中国製品は関係ありませんが)。
僕の結論はどちらも〇。「オススメ」ですよ!
動画で「良い点」「悪い点」を説明していますので、気になる方は是非ご覧ください。
ちなみに買ってみたのはコレです(僕が買ったものよりさらに安くなっている)。
もう一つはコレ
どれを買ったか探すのに苦労しましたよ(全く思い入れもないし、どれも似たようなモンなので)。
まずは「良い点」と思われるところ。
そして「悪い点」
オマケとして「マレットについて」
プロパノータと比較をしていますが、本来この比較はナンセンスかもしれません。
「カレー」を例にすると、「辛いカレー」が好きな人や「スープカレー」が好きな人(ワシは普通にルーで作った家のカレーが一番スキ)のように、「カレー」という大枠の中でもそれぞれが違うものですよね。
同じことで「金属製スリットドラム」という枠の中には入りますが、それぞれは全く別物と考えてよいのではないでしょうか。
何を重視しているかはメーカー次第。視点によっては良いも悪いも変わりますからね。
(中国メーカーが重視していることは常に「安く大量にばらまき、稼ぐ」であり、使用者のことはたいして考えてはいないでしょう)
それでも裾野が広がるという面においては有効でしょうが、逆に「ツマンナイ」となりそっぽを向かれるという可能性もはらんでいると思います。
もちろんのことですが、アフターサービスなんてものを期待してはいけません。
10年ほど前に「ハピドラム」というものが世界各地に流通しました(スガイ工房にも1台あります)。
この手のスリットドラムのスタート商品のようなものです。
当時は打楽器奏者や、音楽療法士の方などが求め、一時期「予約半年待ち」ということもありました。
しかし結果的に、それはその後の流れにおいて逆効果だったと思っています(もちろん私見ですよ)。
何故なら、音が「面白くない」んですよね。。。
初めは「柔らかくてきれいな音」という印象を大半の方が持つと思います。
実際に工房のハピドラムに対してもそのような印象を持つ方は多いです。しかし「飽きる」。
ハピドラムは余分な「倍音成分」が出ないような処置が施されているので、綺麗な音でもとても「工業的」という印象です。
オマケに大きくて重い(当時は小さなサイスがなかったのです)。
まぁ、それはそれとして、中国製品であってもご自宅で楽しむ分には全く問題ないと思います。
どちらに関しても「音が狂いそう」という事を挙げていますが、これは僕が製作してきた経験上のことで、あくまでも「そんな気がする」というものです。
「音が狂いそう」という点に関しての根拠も動画で述べていますが、動画をご覧にならない方への補足として。
そもそも「材質が金属であるからチューニングは狂わない」と思われていたらそれは間違いです。
「狂う可能性」じゅうぶんにあります。
そして、私が購入した2つの中国製品は「音板部分がペラッペラ」。
スリットドラムは音板の根元に負荷がかかります。
先端を打つことで振動が発生しますが、その振動は根元部分が支えています。
どちらの製品も音板を軽く押すだけで、ぺコンペコンと沈みます。
要するに根元部分の「剛性」が弱いのでしょう。
いずれ金属疲労を起こして、根元部分の反発力が弱くなってしまうのです。
そういった理由から、どの程度の使用でそうなるのかはわかりませんが「音が狂う」可能性は高いとみています。
以前、あるイベントで中国でスリットドラムを作っている会社の社長さんとお会いする機会がありました。
その時に小さなものをひとつプレゼントでもらったのですが、あっという間に音が狂いました(これは事実です)。
これは手のひらサイズのモノで、音板の根元部分がキュウゥって細く絞られていて弱々しかったため、すぐに狂ったのですね。
もうひとつ。
「悪い点」の動画の中で最後にお話していますが、人様の前で何らかのパフォーマンスをお考えの方にはどうかと思います。。。
理由はひとつ。「安っぽい」からです。
この点は「楽器の演奏者」というよりも、「倍音」や「音が持つ力」を重視するヒーリング系の方々に当てはまることが多いかな。
一例として西アフリカの「ジャンベ」という打楽器を挙げます。
僕は4台持っていますが、一番気に入っているのはヤフオクで買ったジャンク品(インドネシア製)。
当時皮が破れていましたので、口径がピッタリの「ドラムヘッド」に張り替えました。
サイズも手ごろだし、ジャンベでは当たり前の「ヤギ皮」と違い、雨にぬれても問題ありませんし。
ま、しかしジャンベの奏者や愛好者で価格の安い東南アジア製をメインに使っている人は見たことがありません。
それを一度愛好者の前で見せたことがありますが「チープだねぇ。。。」と馬鹿にされました。
最初の取っ掛かりとしては東南アジア製を選択することもあるかもしれませんが、熱中度が上がればたいていアフリカ産を新たに手に入れるようです。
「東南アジア製の音が劣る」
という事が理由ではないと思います。
つまり楽器は音はもちろんですが、それ以外の「付加価値」で選ばれることが大半だからではないでしょうかね。
それにステージに立つことを考慮すると、それなりモノのほうがやはり「映える」ということも大きいと思います。
ちなみにクラッシック系出身の方は、プロでもアフリカ産などではなく打楽器メーカー製のチューナブルタイプを使う方が多いという印象です(これは曲の求める音程感に対応する必要性が高いからでしょう)。
みんなそれぞれ打楽器店でお気に入りを見つけてくるのかな。
しかしヒーリング系の方は「音に対する思い入れ」は強くても、「楽器を探す」という点においてはそれほど長けているかは疑問です。
その手のお店に行けば「クリスタルボウル」や「お鈴」などが並んでいるかもしれませんが、「スリットドラム」はなかなかないのが現状です。
ネットで探すにも一応は打楽器ですので、どのようなワードで探せばよいか?
ヒーラーの方は打楽器奏者ではないですからね、打楽器関連の単語を知らなくても当然のことだと思います。
はたまた同じスリットドラムでもメーカーごとに独自の名前が付いているので、ズラズラズラ~っと検索に出てくるわけでもない。。
結果的にアマゾンなどに行きつけば、そりゃぁ安いもの買いたくなっちゃいますよね。
それ自体は何の問題もありませんが、やはりそれなりの「道具」を使った方が説得力があるでしょう。
ちなみに僕は工房に来られたお客さんには中国製品もちゃんとご紹介するようにしています。
「買ったはいいけど使われない」という事になれば僕としても悲しいですからね。
そんな可能性がある人もいるでしょうから、選択肢としての「安物」の存在も示しているだけです。
今日も女性のお客さんが見に来られましたが、中国製品はあっさりと素通りされました(でも中国製のハンドパンには食いついていたけどね)。
純粋に音の威力で比べたらプロパノータの方が断然勝っていると思います。
ま、しかしそれは個人の好みの問題ですのでね、決して製品の良し悪しと言い切ることはできません。
スガイ工房に「中国製品をご購入されたお客様からのご相談」があった例。
①ご年配の男性より。
2月ほど前かな。
工房に以下のような電話がかかってきました。
男性「中国製のスリットドラムをアマゾンで買ったが、説明書がない。そちらにありますか?」
ワイ「ありません」。というより心の中では「あるわけねーだろ!」ですが。
この時点で電話終了、でももちろん良いのですがお話を聞くとお孫さんのために購入したらしい。
製造メーカーにメールをするも返事はなく、日本の販売業者に連絡しても「中国製品ですからねぇ。。」といった反応だったらしい。
そこでスガイ打楽器に電話。。。この時点でどうかしていますね。
ウチとチャイナは全く関係がないことぐらいはわかりそうなもんじゃが。
話をしているとどうも「説明書がない」わけではなく、「日本語の説明書がない」らしい。
わたしはますます「そんなん知らんがな」です。
ちなみに僕が買った中国製も日本語の説明書はありません。
結果としては、つまりオジサンの「勝手な思い込み」。
メーカーおよび販売元にクレームを入れる行動力はご立派です。
でも期待するような対応は得られないのが実情でしょうが。
やはり安さがウリの中国製品。ハズレも多いかもしれませんね。。。。。あっ、失礼。これはオジサンの一方的な思い込みでしたね。
いるよね「思い込んダ~ラ」の人。だらか無関係のウチへも電話してくんだろうね。
一応は、その他もろもろ製品上に不具合が出た時の対策を懇切丁寧にご説明差し上げたのでオジサンいたく感謝するなり。一件落着。
「次は工房に伺いプロパノータを購入しますよ!」とご機嫌で電話を切ったものの、次が決して来ないことぐらいはワイも十分に承知。
②50代女性
FBにて中国製のスリットドラムの存在を知り「こんなのがあるんだ!」と衝撃。即購入。
コレだったかと思います(先日工房にお越しくださったのでね)。
クレームとしては(私へのクレームではありません)、あっという間に音が狂ったというもの。
「自転車に乗せて運んでいたのが原因かなぁ」とご本人は仰っておりましたが、そんなことで狂うようなら使い物になりませんね。
結果的にもう一台同じものをご購入されたそうですが、それもすぐに音が狂った。。。
ご本人はとても気に入られて今後もこの楽器を続けたいし、ゆくゆくは他の楽器の人とも一緒に演奏してみたい。。。
衝動買いに近い形だったのかもしれませんが、とても楽しげなご様子。
海で音を出していたら周りに人が寄ってきて、それとなく仲良くなったとか。
他の楽器とも一緒に演奏出来るようになりたい。
施設でボランティア演奏できるようになりたい。
などなど
明るい未来を思い描かれ、私としてもそれをグッと後押ししたいと思います。
「楽器との出会い、理想的な形です。」
肝心のクレームをメーカー、販売業者へ連絡をしたそうですが、どちらも不発。
気に入っているので買い直すことに抵抗はないが、毎月買う羽目になるのには抵抗がある(当たり前です、消耗品ではありませんからね)。
色々調べて「マグネットチューニング」にもチャレンジしたそうですが、これもうまくいかない。
件の中国品は鉄ではないので磁石はくっつかない。だから両面テープを磁石に貼り、裏側の穴(手を入れるには小さい)からなんとか貼り付けたそうですが、それでは細かな位置の微調整は出来ません。解決にならずですね。
そこで値は張るが、思い切ってプロパノータ。
スガイ打楽器へはそのクレームの相談ではなく、プロパノータ購入を見据えてのご訪問ということです。
私としても、上記のように「楽器を楽しんでおられる方」を応援しない手はありませんからね。
お越し頂けたこと、とても嬉しく思います。
一応、音の狂ったチャイナへの対応策として「全部の音の切込みを長くして、全体のKEYを低くしちゃえ!」とアドバイス差し上げましたところ、
「イヤイヤイヤイヤ、返品できるみたいなので返品します!」
どうもアマゾンだと1カ月以内なら返品が出来るようですね。これは安心かも。
確かに音板切っちゃったら、こっちの落ち度になっちゃうからね。それはマズイ。
つーか、2台ともひと月持たなかったってコト。。。。
それって、どうなのサ。。
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