「P15」、グリーンの塗装。
グリーンは色のノリが良くすんなりいくケースが多いのですが、今回はちょっと苦戦中。
プロパノータの塗装は「パウダーコーティング」日本名で言えば「粉体塗装」になります。
粉上の塗料を特殊な専用ガンで吹付け、その後180度前後で焼き上げることにより強固な塗膜が形成されるというもの。
専用ガンは塗料が噴射される際に帯電させ(静電気発生ね)、アースでつながった被塗装物にフワフワフワァ~っと塗装が静電気の力で引き付けられくっついていく。裏側など直接塗料が当たっていない部分にもフワフワフワァってくっついていく。
と、理論的には語られていますが実際はソコまでくっついてはいかないです(ある程度まで)。
粉体塗装のわかりやすい表現として「粉チーズをふりかけオーブンに入れて温めるとチーズが溶けて全体に回る」、そんな説明を見たことがあります。
イメージしやすい液体塗料(スプレー缶や車屋さんがやっているような塗装)は有機溶剤(シンナーなど)が含まれているので臭いが出ますが、この粉体塗料はそのような成分がなく、無臭。
環境に優しい塗装などと言われています。
実際は車の塗装などでも普通に使われていますが、イメージとしては車の塗装は液体塗料ではないですか???
窯に入れて熱を与えた後、温度が冷めれば完成なので乾燥に何日も要する必要もなく有難い塗装です。
ただ難しいのは窯に入れる前段階では塗料も綺麗にまんべんなく行き渡っているのに、窯に入れて焼き上げると具合が悪くなっていることがある点です。。。
恐らく温度調整の問題が大きいと思うのですが、工房の窯は細かな温度調整が出来ないの照射式温度計で測りながらの調整と後はカン頼み。。
今回のグリーンも窯に入れるまでは問題がなかったのですが、窯から出してみるとチィッコくプツっとなってた。。。
「ダァァァァァ~、ショック・・・・」
ほんっとにガッカリしますね。
塗装は仕上げですから、それがうまくいかないと今までの苦労もパァ~。
ぶち壊したくなる(しないけどね)。
たまらんなぁ、とため息つきながらもう一回やり直し。
今度こそ!と思いきや、、、、またダメじゃん!!!!オマケに窯から出す時ごくわずかに火傷した。。。
ハァ。。。
粉体塗料は粉なので、塗装ブースの床や壁などについた塗料は回収可能で再び使えるのですが、今回は一個だけだし塗料も少量だろうからと綺麗に回収する準備を怠っていましたので、無駄に塗料も使ってしまった。。。ダブルショック。
もう一度やり直した結果、合格点まで持って行くことが出来ましたが、この点が粉体塗装の難しいところだと思っています。
液体の塗料は「薄く重ね塗り」が基本でしょうからチェックしながら塗れると思いますが、粉体は窯から出してみないと分からない(プロはそんなことないのかもしれませんが、僕にはそのノウハウが自分の経験のみなのでいささか不安)。
週末のイベント用にチビッコいヤツらも塗装しましたが、2個グリーンで塗装した以外はスプレー塗装(艶消しクリア)。
今まではチビッコいヤツらにも粉体塗装をすることもありサービス価格でのご提供でしたが、これからは粉体塗装を施したものは価格を改める予定です。