昨日は同じ楽器職人の山口さんのお宅お邪魔しました。
山口さんは「スチールパンの製作家」。
とても優しいジェントルマンです。
ここ数年、青森県の弘前大学にて行われるプロパノータ作りのワークショップでご一緒させていただきております。
もっとも山口さんは、手ごろなサイズのペール缶から作る「スチールパン製作」のワークショップのご担当。
もともと横浜のご自宅を改造してスチールパン製作に励んでいたものの、9月に拠点を横浜から千葉県の東金へと転居したので遊びに行ってまいりました。
小さな一軒家をご購入しての、いわゆる田舎暮らしがスタートしたそうです(50年以上、超便利な横浜に住んでいた都会派だからね)。
スチールパン製作だけではなくサウンドプロデューサーとしてもご活躍の山口さん。
まずは工房よりも先に作曲、録音ブースが整えられていました。
現在車を止めているガレージが工房になる予定だそうですが、まずは庭に駐車場を作るのが先だとか・・・
スチールパン製作が軌道に乗るのは少々先のようですねぇ。。。早く再開してほしいなぁ。
山口さんのお師匠(アメリカ人)さんが作ってプレゼントしてくれたというハンドパンをこねくり回しながら、お互い今後の展望や楽器製作について語り合いました。有意義な時間ですな!
楽器の構造や音の発生原理は違っても、どこかに共通点や参考になる部分もあるだろうから、こういった意見交換はとても貴重です。
スリット(切り込み)のプロパンに比べ、ドラム缶を叩き潰していくスチールパンは防音問題がことさら重要で、始めたばかりの頃は地面に掘った穴の中でぶっ叩いていたとか。。。。。ちょっとした変態ですね。
新天地となる東金では、お隣さんは板金屋さんなのでそこまで音には神経質にならずに済みそうです。
もう何年も前ですが藤枝のお隣、静岡県焼津市にある「高草山」の頂上辺りでスチールパンを作っていた人がいました。
その噂を聞いて音を頼りに会いに行ったんですが、やっぱり作る際の打撃音がうるさいので山でやっていると言っていました。
山の上でも下までじゅうぶんに聞こえてたけどね。。
いま日本でスチールパンをちゃんと作っている人は神戸だったかな、一人だそうです。
先日お会いしたスチールパン奏者の伊澤さんも、発祥の地トリニダード・トバゴだけでなくアメリカでもずスチールパン黎明期の第一人者達が世を去りはじめ、今後第2世代の活動次第で発展、もしくは衰退もあり得るとの見通しを語っていました。
日本もそうですが、今までスチールパンを製作していた職人たちが「ハンドパン」にシフトチェンジしているそうです。
一度工房にお邪魔させていただいたことがある園部さんもハンドパンへシフトチェンジ。
スタンドがなくても演奏できるハンドパンは、スチールパンより売りやすいんだって。
確かにハンドパンは座りながらでも適当にもてあそべるし、スチールパンよりかなりお手軽でした。
山口さんもハンドパン制作を視野に入れているとか。
ハンドパン製作者(メーカー?)も増えてきているので、ちょっと何か光る部分がないとね、という話に落ち着きました。
お互いそれぞれの得意を生かし、コラボして面白い楽器が作れるといいけれどね。
それにしても未整備とは言え人様の工房は面白いなぁ。。道具や材料を見ているだけでも楽しかよ!
それぞれに工夫がありますな。
写真は弘前大学スチールパン部の楽器をチューニングする山口さん。
倍音を調整するスチールパン製作には欠かせない「ストロボチューナー」。これは持ち運び用だそうです。
むかしはコレが欲しかったけれど、スリット系のプロパンには無用の長物だでな。
それに今はPCのソフトでも充分だしね。
ハンドパンをこねくり回していたら、面白い奏法が発見できましたよ。
でもコレはちゃんとしたハンドパンでは出来ないと思われる奏法。。。ちょっとした楽器製作のアイデアにつながりそうです。