初めてこの楽器をご覧になった方からは、当然のごとく
「どうやって音を変えているの???」
と聞かれます。
答えはカンタン。音板の「長さ」です。
音板を見れば、微妙ながらも長さが違うことに気が付くと思います。
製作当初(もう10年ほど前の話ですね)には、「長さも同じ」ですべての音が違う。しかもちゃんと「ドレミファソラシド」が整っていることを目指していました。。。
当時は円盤型このカタチも面白く、なおかつ「音板もすべて同じなのに音が違う」ということがさらに面白いと思っていました。
ですので、鉄琴や木琴のチューニング方法などを調べ、一所懸命に音板の裏側を削ってチューニングにちゃれんじしていたワケですよね。。。
木琴、鉄琴は長さに加えて音板の裏側を削りチューニングしているそうです(機会があれば裏側を除いてみてください)。
これはある程度の厚みがあるから可能なことで、プロパンボンベのように厚みが2~3ミリではちょっと無理があると思います。
余計な苦労をしていたものです。仕方ないよ。。最初はなんもわからんし。
昔のブログはそれでも「ドレミファソラシド」が出来たと喜んでいるので何とか出来たのかな・・・・
でも音に余計なな濁りが入っていたことは良く覚えています。無理やり作った音って感じ。
今は完全に長さですので、調整は楽です。切り込んでいくだけ。
ただし楽なのはP6などのように音板が一枚のみのタイプ。これは本当に切り込むだけでいいですね。
プロパノータ独自の(最近は海外製でこのタイプが散見されると、あるお客様に教えていただきました)2重になっているタイプは、ちょっと大変です。
基本的にはこちらも切り込むだけですが、他の音の干渉や、位置、チューニングの順番などによりいろいろと影響があるようです。
「影響があります!」と断言できないのは、その都度、影響度合いなどが違うので自分でもハッキリと言い切れないからです。
以前は「周波数」上では問題なくても、音としてははっきりしない。
余計な濁りが感じられることが多々あり、それを修正することに大きな時間が割かれることもしょっちゅうありました。
(グァ~ンと楽器というよりは鐘のような音になってしまうこと)。
『音の位相』ということを考慮に入れ、ある点を改良した結果、そういったことは滅多にありませんが、それでもそうなった場合にはかなり難儀します。
2重タイプには、音が一枚では出せないような独特の余韻を入れ込むこともが出来るので、その余韻がきれいに響くものが出来ると、当たり前ですがとても嬉しい。
理想的なのはアレコレといじくり回さずに、サッとすんなり決める。そんな感じですね。
「素材の良さをただ引き出す」 まるで和食の世界ですねぇ。そうなりたいものです。